古くなって黄ばんでしまった車のヘッドライトを、ウレタン塗料で綺麗にリフレッシュします。
黄ばみ(曇り)の原因
ヘッドライトのレンズ表面にはコーティングが施されていて、樹脂製レンズの劣化を防いでいます。
このコーティングが経年劣化などで剥がれると、レンズが紫外線や雨に直接さらされるようになり、表面が傷んで曇りや黄ばみになります。
ウレタン塗装の理由
市販品に研磨剤とコーティング剤がセットになったヘッドライト復活材のようなものがあり数種類実際に試したこともありますが、大抵は半年程度ではがれてしまいます。対してウレタン塗装は塗膜が非常に強く、年単位で長持ちします。
作業工程
作業前の状態です。(マスキングしてありますが)
表面が黄色く曇っています。
表面の研磨
塗装に傷をつけないようマスキングテープで保護してから、ヘッドライト表面を#800~#1200位の耐水ペーパーで水研ぎします。
表面の黄ばみが残っているうちは研ぎ汁が黄色くなるので、研ぎ汁が白っぽくなるまで磨きます。
水分を除去たとき写真のように全体が白く曇った状態になったら、水研ぎは終了です。
マスキング
塗料がかからないよう、周囲をマスキングします。
写真では新聞紙を使っていますが、紙はスプレーの溶剤が浸透するのでおすすめしません。可能な限り養生用のビニールを使いましょう。
塗装(1回目)
2液タイプのウレタンクリアで塗装します。
2液タイプは使用直前に混合用のピンを刺して硬化剤を混合するので、ピンを刺してから12時間以内に使い切る必要があります。
(余った場合、冷凍庫に入れておくと少なくとも1か月程度は使えます)
1度目の塗装は、足付けの意味も兼ねて薄目に塗ります。既に透明になってきています。
塗装(2回目~3回目)
10分程度乾燥させて、1度目より厚めに塗装します。厚めに塗った場合は2回塗り、薄塗りなら3回塗り位が目安だと思います。
後で肌を修正するのであれば、4回塗っても良いと思います。(塗装は、タレる寸前の厚塗りが一番綺麗に塗れます)
完成
乾燥後、マスキングをはがして完成です。
写真ではわかりにくいですが、下のほうで少しタレてしまっているので、完全乾燥後に修正する予定です。
塗装前後の比較(中央部拡大)です。かなり綺麗になりました。
(必要に応じて)塗装の修正・仕上げ
塗装を修正する場合は、1週間以上経ってから行います。完全乾燥前にペーパーがけ等すると剥がれることがあります。
ゆず肌
ゆず肌が気になる場合は、肌の状況に応じて#400~#1200位の耐水ペーパーで表面を均したあと更に#1500, #2000で水研ぎし、コンパウンドで磨いて仕上げます。
タレ
タレた部分もゆず肌同様に耐水ペーパーで表面を均して仕上げることができます。
シワ
下の塗装が乾燥する前に厚塗りすると、塗装がシワになることがあります。シワになってしまった場合は、耐水ペーパーで剥がしてやり直すのが近道です。
削りすぎたとき
乾燥したウレタンクリアの上にウレタンクリアを重ね塗りは出来ないようなので(注意書きに記載あり)、すべてはがしてやり直しが必要です。
余談
ボンネットにマスキングテープの跡がついてしまいました。
ボンネットは以前ラッカー+ラッカークリアで再塗装しているのですが、やはりラッカーは弱いです。
ラッカークリアの上にウレタンクリアは乗るので、上塗りしてしまっても良いかもしれません。